2025年度から65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。
定期接種の対象の方には、津市から4月下旬頃にレモン色の接種券が郵送されてきたと思われます。
接種期間は、令和7年4月1日から令和8年3月31日まです。
帯状疱疹とは、水ぼうそう(水痘)と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)」が原因で起こる皮膚の病気です。耳鼻咽喉科では、耳性帯状疱疹といって耳の周りに湿疹ができて、顔面神経麻痺、難聴、めまいなど多彩な神経症状を呈することで知られています。
帯状疱疹は加齢、ストレスなどで免疫力が低下すると子供の頃の神経節に残っていた水ぼうそうのウイルスが再活性化して発症します。
帯状疱疹は発症すると身体の左右どちらかに発疹が現れます。発疹はチクチクする痛みを伴うことが多いです。この発疹は適切な治療により多くは治りますが、ときに帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia:PHN)といって、痛みが残って日常生活に大きな支障をきた事があります。刺す様な痛み、夜も痛みで眠れない、服が擦れるだけで痛みが走る、雨が降ると痛む等々深刻です。神経痛は最も多い合併症で、80歳までに3人に1人が帯状疱疹にかかり、そのうち20%が帯状疱疹後神経痛を合併するといわれます。特に60歳以上の高齢者に多くみられます。
これらの事はワクチンを接種し免疫を獲得することで避ける事ができます。
ワクチンは弱毒化生ワクチンと組換えワクチンの2種類あります。当院で接種できるワクチンは組換えワクチン(シングリックス筋注用)です。組換えワクチンは帯状疱疹発症や神経痛の予防効果で優れ、発症予防効果は50歳以上の人で約97%、70歳以上の人でも90%程度と報告されています。帯状疱疹後神経痛に関しても88%と高い予防効果が示されています。そして免疫の持続期間も長く10年以上と言われています。
シングリックス筋注用ワクチンは、「標準として1回目の接種から2ケ月の間隔をおいて2回目の接種を行うこと。1回目の接種から2ケ月を超えた場合であっても、6ケ月後までに2回目の接種を行うこと」になっていらことから、2回とも定期接種する場合1回目を遅くとも令和8年1月末迄に済ませる必要があります。
シングリックス筋注用ワクチンを定期接種として接種した後、乾燥弱毒生水痘ワクチンを定期接種することは出来ません。
自己負担額は定期接種の方で1回6,600円とそれなりの金額ですが、ワクチンの納入価格から考えると割安かなと思います。
定期接種は生涯で1回だけです。
任意接種も受け付けます。
予約方法は、
・下記予約フォーム
・来院
・電話
のいずれかから予約して下さい。
上腕の三角筋という肩の真下付近の場所に筋肉注射します。肩が出やすい服装で御来院くださいます様おねがいします。